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父が手術することになった。
「私としては手術した方がいいと思うんですよ。また考えておいて下さい。」 そう担当医に軽く言われた日から、「すぐに阪大病院に転院して下さい。」と言われ、手術の日が決まるまで一週間とかからなかった。 まるでドラマのような話ばかりだ。 昨日は、「御家族の方も来て下さい。」と面談室に呼ばれた。 手術がどれだけ危険を伴っているか。 成功したとしても、それで完治する病気ではないこと。 先生はこちらの心情おかまいなしに、機械的に淡々とした口調で話していく。 ただの心臓弁膜症であれば、悪いところを切り取って、新しく弁膜を取り替えれば済む話だが、父はそこが細菌でやられているため、実際に心臓を開けてみないとどれだけ病変が広がっているかわからないという。 その細菌が血液に乗って脳まで行き、脳梗塞を起こす可能性も、弱った心臓だから心筋梗塞を起こす可能性も10%以上はあるという。 みんな固唾を呑んで聞いていた。 父はずっと震えていた。 先生の話が終わったのは夜の9時頃だ。 もちろん、誰も食欲なんて何もなかったけれど、父は明日からはもう何も食べられないからと、冷たくなった病院食を何事もなく食べ始める。 それが父の精一杯の虚勢だったのだろう。 あんなに贅沢三昧だった父が、まずくて安いものなど一口も食べようとしなかった父が、素っ気ない病院食を震えながら食べている。 その場に誰もいなかったら、私はきっと泣いていただろう。 明日は朝の8時に手術室に向かうという。 見送れるのはそれが最後です、と言われたけど、私は京都で仕事があるので、お昼からしか病院に向かえない。 もし、万が一のことがあれば、こうして病院食を食べている父の姿が最後となってしまう。 それでも私は父に何も言葉をかけてあげられなかった。 そのまま帰ろうとした私に、父は、「加奈子、体にだけは気をつけてな」 そう言って深く頷いていた。 私の大好きなアルベール・カミュは、人生の不条理を追及してやまない作家だった。 彼がテーマとしていたのは、戦争、貧困、そして病気、である。 豪遊していた父にも落ち度はあっただろうが、人はなぜ病気になるのだろう。 それが天命なのだろうか。 受け入れることで何が見えてくるのだろう。 そして私は何を悟ればよいのだろう。
by kanako0819
| 2006-08-01 22:15
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